キーワード:郷土芸能や祭りの再興、震災の記録の保存、アーティスト育成、スポーツ振興 伝統工芸、歴史、まちのPR、運動不足 など
東日本大震災は、各地に伝承されてきた民俗芸能や祭り、また地域の文化活動にも多くの被害をもたらしました。
地震と津波による文化財の破損、行事や舞踊の際に使われる用具や衣装の流失等に加え、避難生活によって担い手が離散してしまうなど、このままでは継承が危ぶまれる民俗芸能や祭り・行事も数多くあります。
(311 復興支援 無形文化遺産情報ネットワーク報告書2013
「東日本大震災被災地域における無形文化遺産とその復興」より抜粋)
民俗芸能や祭りの復活は、地域への帰属意識や連帯感を向上させ、地域を活性化させる原動力となるものです。しかしながら、流失した用具の新調・修繕費、保管場所の整備、練習や発表の際の旅費等が、活動を継続する上で大きな負担になっており、財政面での継続的な支援が必要とされています。
地域に伝わる躍りを交流のきっかけに
一方、古くから地域で親しまれている踊りを新しい交流の場づくりに活かし、新たな絆を生み出しているケースもあります。ある団体は、宮城県仙台市を中心に親しまれている「すずめ踊り」の練習会を、仙台市内にある仮設住宅団地の集会所などで始めました。練習会を続けるうち、祭連(まづら)と呼ばれるグループが結成され、市内の介護老人福祉施設で踊りを披露。この経験が、それまでの支援される立場から、「自分たちも人に元気を与えられる」という自信につながり、自ら進んで発表の機会を企画するなど、メンバー一人ひとりに大きな変化をもたらしたといいます。
被災地の復興のためにインフラ整備や雇用の創出が欠かせないのは言うまでもありませんが、コミュニティの維持・再生にあたり、心のよりどころとしての「文化・芸術」の果たす役割は大きく、これからも充実した活動が行えるよう、継続的に支援することが望まれます。
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