宮城県の北部・沿岸に位置する南三陸町。町の西側をぐるりと囲むように山々がそびえ立ち、東側には美しい海が広がっています。
北の歌津地区・西の高台に位置する入谷地区・中央太平洋側の志津川地区・南の戸倉地区と、大きく4地区あり、山に囲まれた形状と海では温かい海流がぶつかる地点のため、冬は東北にありながらそれほど雪が降らず、夏はカラッとしたさわやかさがあり、1年を通じて過ごしやすい気候と言われています。
南三陸町は、古くは産金地として名を馳せ、その後は桑の木が多く自生していたことから養蚕が盛んに行われていました。現在は漁業が中心となっていて、震災前まではタコ・ホヤ・銀鮭・ホタテ・ワカメなどが多くとれました。
中でも特に志津川のタコは、荒波で引き締まった身に加えて、志津川湾に多く生息するアワビを餌にしているため絶品と有名。
また、志津川湾に浮かぶ竹島には、波の作用でできた深い洞窟がありますが、この洞窟が化けダコのすみかであるという伝説も残っているほど、昔からタコと南三陸とは深いつながりがあったようです。
南三陸町のイベント
南三陸町では一年を通して様々なイベントが行われてきました。「かきまつり」「田束山つつじまつり」「志津川湾夏まつり」「志津川湾おすばで祭り」など、町内だけでなく町外からもイベントを楽しみにやってくる人が多かったと言いますが、震災後は開催が難しい状況になってしまいました。
しかし、2011年夏には多くの支援により花火大会が催され、夜空に浮かぶ鮮やかな花火が多くの人々の心を照らしました。また、地元の商店街を復活させようと、南三陸や全国の特産品を集めた「福興市」が毎月最終日曜日に催されていて、復興のシンボル的存在の市となっています。ここでも志津川のタコは大変評判で、地元の人はもちろん観光客にも人気が高いそうです。
一番の魅力とは
魅力がたくさん詰まった南三陸町ですが、南三陸町観光協会の及川さんに、さらなる魅力を伺いました。
「もちろん美しい自然も自慢の一つですが、一番の魅力はここに住む人たちなのではないかと思っています。観光客の方からは『あの人に会いにもう一度来ました』という声もよく聞きますし、震災後には『とてもお世話になった○○さんの無事を確認したい』という連絡も多かったです」。
震災は多くのものを奪い去りました。南三陸町の方々が再び心の底から笑えるようになるには、まだ少し時間がかかるかもしれません。しかし、このプロジェクトを通じて、南三陸町の宝物を少しずつ拾い集めるお手伝いができると信じています。
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