今回のプロジェクトでは、寄付していただいた方にオリジナルの「オクトパス君」が届けられます。
このオクトパス君は、元々「置くとパス」する合格祈願の文鎮として販売されていたもの。しかし震災で工房が流されてしまい、閉鎖へ…。
そんな中、雇用を生み出すことで町の元気を取り戻そうと、大正大学のボランティアと共同して「南三陸復興ダコの会」が設立され、オクトパス君が復活することになりました。
日々たくさんのオクトパス君が生まれる「Yes工房」は、2011年に取り壊し予定だった木造築70年あまりの入谷中学校を利用しています。廃校ということから「はい=Yes」工房と名付けたとのこと。
「なんでも楽しんで面白くしたほうがいいでしょ。でも活動は至って真面目にやってるからね」と笑う阿部副会長。
南三陸町に働く場所を
阿部副会長は言います。「避難所でじっとしていたらどんどん気が落ち込んできてしまってね。活動する、働く場所が必要だと改めて実感したんだ」。
震災後5月に避難所の片隅で3名のスタッフにより始めた制作も、現在は10人に広がりました。
2011年の販売再開から2012年の5月末までに、約3万個を販売、取り扱い店舗数は60店以上にのぼっています。
世界中から取材が殺到
さらに同工房にはTVや新聞、海外からも多くのメディアが連日取材に訪れ、世界中から注目を集めています。
阿部副会長は「南三陸町にこんなに色々な人が来るなんて今までなかったし、すごく刺激になっているよ。わざわざ遠くから直接工房までオクトパス君を買いに来てくれる人もいるし、本当にありがたいことだよ」と語ります。
今やオクトパス君は、南三陸町の人々だけでなく日本全国、さらには海外まで、他己(タコ)を元気づける大きな存在になりつつあります。
オクトパス君に込められる思い
オクトパス君の製造過程を見てみると、一つひとつ丁寧に色が塗られ、1日で約200個が完成します。3回の重ね塗りが必要ですが、同工房の村井マネージャーによると「均一に色をのせるのはなかなか難しい」のだそう。
そして完成したオクトパス君を手にしてみると、ずっしりと存在感のある重み。ひとつ600gという重さではありますが、南三陸町の復興を願い一つひとつ丁寧に作られた、その重みも感じられるように思えます。
心のこもったオクトパス君が、寄付者と南三陸町の方々の想いをグッと近づけてくれるものになることでしょう。
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