タコが豊富に揚がる志津川ならではのおいしいタコ料理を求め、2012年2月25日にオープンした「南三陸さんさん商店街」に店舗を構える「創菜旬魚はしもと」の及川さんに伺いました。
「志津川のタコは、アワビやツブ貝を豊富に食べているから味も甘みも濃いんです。それに弾力もあって歯ごたえがいいですね。だから志津川の人間はほとんど茹でてそのまま食べますよ」とのこと。
何も手を入れない状態が一番おいしいとは、素材そのものの味が良い証と言えそうです。
「僕らにとってタコはとても身近な存在。しょっちゅう食卓にあがるし、正月にも必ず食べますよ。それから、タコを一匹ずつ手で洗うのはすごく大変だしきれいに洗えないから、漁師の家や料理屋にはほとんどタコ専用洗濯機があって。塩を入れてガラガラ回すんです」。
ぬめりを完全に取らないと茹でたときに表面が白くなってしまって見た目も悪いし、生臭さも残ってしまうそう。漁師町ならではの洗濯機利用法ですね。
タコを使ったおすすめレシピ
●タコサラダ
1.薄切りにした生(または茹で)タコに塩こしょうをふり、オリーブオイルを適量かける。
2.お好みでパセリやバジルを散らしてできあがり。
●タコの唐揚げ
1.タコをぶつ切りにする。
2.すりおろしたニンニク・生姜、醤油、酒とタコをからめ、30分ほどおく。
3.ビニール袋に汁気を切った2のタコと片栗粉を入れてまぶす。
4.高温(180度くらい)に熱した油でタコを揚げる。タコが浮かび上がってきたらOKのサイン。あまり揚げすぎるとタコの身が固くなるので注意。
5.皿に盛り、お好みでレモンを絞っても。
食と復興
南三陸町の飲食店の多くで味わうことができた“キラキラ丼”。地元で捕れた海産物や野菜をふんだんに使った贅沢な一品で、町の名物の一つでもありました。
それが南三陸さんさん商店街で「南三陸復活キラキラ丼」として復活。
「色々な人に助けられてここまで来ました。南三陸で捕れたタコや魚介類を使っておいしい食事を提供することが、応援してくれている皆さんへの恩返しになりますし、それが僕たち料理人の義務だと思っています」と及川さん。
身近な食を通じて町を盛り上げようと奮闘する料理人の熱い思いが、その一杯に込められています。
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